梁山から来ました

中華圏の小説、ポーランドボール、SCP財団、作曲、描画などが好き。皆様のお役に立てる/楽しんでいただけるコンテンツ作りを目指して、試行錯誤の日々です。

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『水滸後伝』第13回あらすじ

楽和は暹羅城に迎えられる花夫人と秦夫人に倪雲・高青と五百人の兵を付き添わせ、そのまま城に駐留させる。 ある日、李俊たちは、台風に遭って船から投げ出された人々を救う。それは高麗に派遣された宋人が国に帰る船で、高麗国王の病気を治療し終えたばかり…

『水滸後伝』第12回あらすじ

金鼇島の沙竜が殺されたとの知らせが、暹羅国国王のもとに届く。国王の馬賽真は、宰相の共濤の「李俊らを早急に討伐すべき」という意見に賛同し、共濤と将軍の呑珪とを金鼇島に遣わす。 楽和の計略で、李俊たちは向かってくる暹羅軍に追い散らされたと見せか…

『水滸後伝』第11回あらすじ

李俊たちの船は海を渡ることはできないため、日本との貿易に出発しようとしている枢密府の船を奪って海へ出る。 一同は普陀山に参拝した後、韭山門で検問に遭い、朝廷の船ではないと見破られるが、物見役のなかにいた張順のもと部下・許義に救われる。 許義…

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 047

魯智深と武松がひとしきり大暴れをし、物語世界を揺さぶったあと、前面から後退すると、選手交代とばかりに李逵が登場し破壊力を発揮するという展開になっています。これは、いいかえれば、長篇小説『水滸伝』の構造において、トリックスターは「並存」しえ…

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 046

宣和時代(一一一九―二五年)とはそもそもどんな時代であったであろうか。それは一口にいえば好景気の時代であったといえる。ただしそれは本当に生産が活潑化したうえでの好景気ではなく、むしろ人為的に造り出された表面的な好景気であった。【虚実】— 水滸…

『水滸後伝』第10回あらすじ

童威が金を集めるために提案したのは、金持ちの船を襲うことだった。偶然にも楽和と花栄の家族の船を襲ってしまった童威たちは、これまでのいきさつを話して、楽和の考えを仰ぐ。 楽和は花公子に王宣慰の弟のフリをさせて呂知事のもとを訪れる。呂は「門下生…

『武俠好きさんに質問』第8回への回答

4〜5人の集団で出てくるうち、一番アホそうなメンバーがいいです。具体的には、 ・『天龍八部』の岳老ニ…老三? ・『天龍八部』の包不同 ・『神鵰俠侶』の馬光佐 ・『倚天屠龍記』の周顚 ・『書剣恩仇録』のハゴタイ などです。 どんなに打開が難しい、危機…

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 045

ある時期からは李逵、鮑旭、項充、李袞という歩兵の4人組チームを作って戦うようになった。、李逵はよろいを着ることもあったが、ときに上半身裸で戦うこともあり、基本的に項充と李袞が団牌を構えて左右から李逵の防御を担当した。【プロフ 項充の項】— 水…

『水滸後伝』第9回あらすじ

李俊は梁山泊の仲間たちと別れた後、童威と童猛を伴って太湖に行き、四人の義兄弟(費保、倪雲、高青、狄成)と落ち合って、そこで近隣の住民たちを使って漁をして暮らしていた。 ある日、李俊たちが縹緲峰で雪を愛でていると、天から石板が落ちてきたため、…

『水滸後伝』第8回あらすじ

尹文和とは、 東京を逃げ出した楽和の別名であった。楽和は郭京の申し出を受け、共に王宣慰の家に厄介になる。 春になり、燕子機に遊んだ彼らは、若い公子と二人の佳人に出会う。王宣慰はすっかり佳人に心を奪われ、郭京は公子の方によからぬ下心を抱くが、…

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 044

山賊の頭領となる以前は農民をしていたので鉄鍬の名人だった。しかし、梁山泊では宋江から「農民だったのだから土木のことに詳しいでしょう」といわれ、入山直後から土木工事の監督となり、船着き場の浚渫、水路の補修、運河の新設、城壁の修理、道路の補修…

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 043

混江龍李俊、これは私商、すなわち抜荷商売で塩や茶の密売をする。船火児張横、これは私渡と言い、元来、大河川の渡し場は政府が経営して渡し賃を取るのであるが、私渡は渡し船のもぐりであって安い運賃で渡河を引き受ける。もちろん両者ともいつ強盗に早変…

『水滸後伝』第7回あらすじ

李応は公孫勝に、飲馬川の裏手に住むよう提案し、公孫勝はそれを受け入れる。 しばらくして郭京らが攻めてくるが、飲馬川の勢力には敵わない。李応らは朱武の提案で野営に奇襲をかけ、兵たちを追い散らす。 李良嗣は童貫、蔡京のつなぎで道君皇帝に謁見し、…

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 042

梁山泊入りした後は歩兵軍の頭領に命じられるんだけど、たいした活躍もないまま方臘征伐で溺死しちゃうの。施恩って、要するにただの武松ファンなのよね……。気持ちはわかるけど、あんまりベタベタしないでほしいわ!【女子 施恩の項】— 水滸伝関連書籍bot (@…

『水滸後伝』第6回あらすじ

飲馬川に落ち着いた頭領たちは、李応を筆頭に席次を決め直すが、蔡慶は山寨を辞去し、家族のいる北京に向けて旅立つ。 北京への道すがら、蔡慶は虎峪寨で、樊瑞がひとりの道士と術比べをするのを見かける。樊瑞は難なく相手を下した後、蔡慶と再会を懐かしむ…

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 041

もし潘金蓮と西門慶がここで殺されなかったら、という仮定のもとに展開される金瓶梅世界は、およそ水滸伝世界の対極にあります。ここで描きだされるのは、『水滸伝』が完全に捨象したところの色欲や金銭欲にまみれた、文字どおり「倫理なき人々」の姿です。…

『水滸後伝』第5回あらすじ

李典獄は玉娥と馮舎人を観察して二人の関係を突き止める。怒りのあまり二人に殴りかかった典獄だが、馮舎人に突き返され、そのはずみで死んでしまう。杜興は楊林から典獄が死んだと聞いて彰徳府へ戻り、玉娥たちが典獄を殺したのだと確信する。 典獄の納棺後…

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 040

彼は呉用先生の支持に従って完璧な仕事をしたの。だけど、そもそもの指示が間違ってたのよね。判子にはいろんな種類があって、同一人物でも用途によって使い分けてるの。呉用先生はそこをついうっかりして、私信用と公文書用を取り違えちゃったのよ。【女子 …

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 039

宋江が〈中略〉魅力に欠けることは、すでに多くの論者にも指摘されています。このあと宋江は紆余曲折を経て〈中略〉梁山泊のリーダーになるのですが、この経緯にも説得力に欠けるものがあります。要するに、宋江は噂社会の虚像にすぎず、『水滸伝』の物語世…

『水滸後伝』第4回あらすじ

荷駄を運んでいたのは、李応の命を受けた杜興だった。杜興が東京へ行くというので、孫立は彼に、楽和への手紙を託す。 楽和のいる王駙馬の家を訪れた杜興は、虞公たちに拘束され、府庁へ連行されてしまう。実は、済州府の騒ぎを知った蔡京らは「梁山泊の残党…

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 038

水滸伝という小説は、〈中略〉聴衆、読者に不審の念をおこさせぬようこまかいところにまで気をくばった、なかなかぬかりのない小説である。人がちょっとしたことを言ったりしたりする際でも、その前に「彼はこう考えた」としてそこにいたる心理的推移を説明…

『水滸後伝』第3回あらすじ

孫新が隠れて様子を伺っていると、孫立は事情を知らないまま知事たちに捕まり、役所へと連行されてしまった。その知らせを聞いた扈成は、もと師範の欒廷玉を陥れ、孫立を救い出すための計略を練る。 欒廷玉は登雲山を責めようとするが、三日間籠城されて打つ…

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 037

孫新「ただ兄に巻きぞえをくわすことになるのでな。わしとおまえは、登雲山に行くまでだが」顧大嫂「兄さまは、お尻に火がつかねば腰を上げぬ方。けど、この前の様子なら、来ない気づかいはありませんよ」 【後伝第2回】— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_relate…

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 036

陳達と楊春はずっといっしょになってでてくるが、性格がまるきりちがう。陳達はおっちょこちょいで軽率なヤツだが、楊春はつねは静か、そして、ここぞというときにまっ先に行動するたのもしいヤツだ。残念ながらそれほどつよくない。【事典 楊春の項】— 水滸…

「武俠好きさんに質問 第6回」への回答

この質問ですが、「主人公とヒロイン」からベストカップルを選ぼうとすると、なかなか難しいと思うんですよ。なぜかと言うと、主人公とヒロインの恋というのは、武俠作品においてかなり重要なモチーフなので、 「最初から最後までお互い一筋で、すんなり結ば…

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 035

流れ者が掲揚鎮で商売をするには、まず穆弘、穆春の兄弟に許可を得る必要があった。弟の穆春が薛永に殴られたときには、父の穆太公はそのことは決して穆弘に告げてはいけない、弟が殴られたことを知れば彼は黙っていないし、またしても人殺し騒ぎになると穆…

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 034

文繁本というのは、叙述や描写が詳細な本である。それに対して文簡本というのは、叙述や描写が簡略な本である。たとえば梁山泊軍と官軍が戦う場面を、文繁本が五十行ついやして描写してあれば、文簡本はそれを十行くらいでかたづけてあるというあんばいだ。…

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 033

スカウトした李逵にしても湯隆の鍛冶屋の腕を見たわけではなく、その家に鍛冶の道具があるのを見ただけなので、鍛冶屋としてどの程度の腕前だったかは保証の限りではない。〈中略〉武器や甲冑は戦争には不可欠なものだけに、こんな人選でいいのかという疑問…

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 032

弟思いな一面もあって、その兄弟愛は怪奇現象を起こすほどなのよ。方臘征伐で、張横は戦死した弟の霊に取り憑かれるの。この一件の後で彼はあっさり病死してしまうんだけど、これ、まさか張順に引っぱられたんじゃないでしょうね……?【女子 張横の項】— 水滸…

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 031

戴宗「あんたら二人、長いことどこへ行ってたんだね。さがすのに、ずいぶん苦労しちまったよ。それに朱仝が家族を連れに行ったまま、さっぱりもどらないもんだから楊林と様子を見に来たんだが、やっこさん、足がおそいもんで、ここで待ってるところですよ」…