「108星いいところチャレンジ」にちょっと補足 2/6
「108星いいところチャレンジ」も、難なく3分の1を過ぎ、地煞星ゾーンに突入しました。
……えっ、ここから段々難易度が上がってくるって?
そう……かもしれませんね……。
ともあれ、今回も張り切って補足していきます。天罡星の後半、第19位から第36位までです。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年9月1日
108星いいところチャレンジ 索超!
「永遠の二番手」としてネタにされるのが存在価値みたいになってますが、作中で生かされてない設定のうちに、光るものを持っています。この子は演出次第で伸びるはずです。その伸びしろこそ長所と言いたいです。#水滸キャラのココがスキ #索超 pic.twitter.com/VcFgDvZ5zN
大体、北京で梁山泊を迎え撃とうとして罠にハマった場面は、楊志さんとの再会を演出すれば見せ場の一つにできるはずなのに、他の軍人連中を説得するときの文言を使い回して終わらせてしまうとは、実に勿体ないことです。これだから北京攻略戦を担当した作者はガミガミブツブツペーラペーラ……。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年9月2日
108星いいところチャレンジ 戴宗!
ケチな小役人、李逵のよき理解者、組織の忠実で優秀な歯車、悟りすました道士様と、色々な顔を持つ人物です。任務の遂行中にも、起こる事象を様々な視点から解釈し、ミッションを成功に導くことができそうです。#水滸キャラのココがスキ #戴宗 pic.twitter.com/ITt2KXsuQQ
画像:別冊太陽『宮田雅之の切り絵 史記・水滸伝・唐代伝奇・三国志』より
李逵に対して、普段はからかったり叱りつけたりするばかりなのに、羅真人にちょっかい出して懲らしめられたときは、彼の長所をきちんと説明して許しを乞うています。このあたりの絶妙なTPOの使い分けが、「デキる人」の証なんでしょうね。ただ足がべらぼうに速いだけでは、梁山のパシリは務まらないのです。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年9月3日
108星いいところチャレンジ 劉唐!
噂だけを頼りに晁蓋に会いに来て生辰綱の話をもたらし、その後彼が死ぬまでずっと付き従います。晁蓋が聞きしに勝る好人物だったのか、劉唐が結んだ縁を終生大事にする義理堅い人物なのか。その両方でしょうか。#水滸キャラのココがスキ #劉唐 pic.twitter.com/H2yqwSS5tQ
画像:上海古籍出版社 『戴敦邦 新绘 水浒传』より
画像は雷横に喧嘩を吹っかけて、呉先生に止められた場面ですね。ここは劉唐と雷横のキャラや戦闘能力を読者に伝える役割を果たす、名シーンでした。この後、宋江に黄金を届けるあたりまでは出番も多かったんですけどね……。徐々に埋没してしまいました。残念です。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年9月4日
108星いいところチャレンジ 李逵!
現代の様々な作家さんたちが、李逵を愛すべき人物として描き出すため各々趣向を凝らしており、それを見ているだけでも飽きません。李逵がいない『水滸伝』はありえないし、百回本の最終回の言葉には泣かされます。#水滸キャラのココがスキ #李逵 pic.twitter.com/0K4lrTwj4E
殺人が三度の飯より大好きな原作李逵、ギャグキャラの属性を一身に集めたような横光版鉄牛、凶暴キャラになった背景には哀しい過去があるGR版鉄牛、図体はデカく頭は足りず、いつも一生懸命な漫読李逵、皆様はどれがお好みでしょうか。それぞれによさがありますね。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年9月5日
108星いいところチャレンジ 史進!
戦闘では役に立つこともありますが、この子が主体的に考えてとる行動って、大概ロクな結果になりませんね……。朱武も楊春も、そういうところが放っておけないんだと思います。陳達は多分同レベルです。#水滸キャラのココがスキ #史進 pic.twitter.com/8To514egp5
こうして浮世絵に描かれると、サマになるんですけど……まあ何と言うか、幾つになっても脳筋ですよね。おそらく、朱武と楊春は「自分たちがついてないとダメな子」と思ってると思います。陳達は「殴り合いを経てわかりあえた強敵(とも)」と思ってると思います。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年9月7日
108星いいところチャレンジ 穆弘!
なんか常にガンギマリっぽい感じで面白いです。地元で何度も殺人騒ぎを起こしたり、開封で酔っ払って不穏な歌を歌ったり、李逵の首根っこを掴んで連れ帰ったり。かと思うと方臘戦ではスパイもやってるんですよね。#水滸キャラのココがスキ #穆弘 pic.twitter.com/MS3yoQlmni
画像:『女子読み「水滸伝」』より
「止めることは誰にもできない」と言われる怖いお兄さんですが、戦場でも他の武将連中に引けを取らないくらい暴れ回ってるんで、実際強かったんでしょうね。そして李俊とともに現地民のフリをして方臘の軍中にもぐり込むだけの頭もあります。それに比べ……いや、何でもないです。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年9月7日
108星いいところチャレンジ 雷横!
義に篤いのに、性格が意固地なせいで過小評価されがちなところがいいですね。彼の見どころの一つは朱仝さんとの関係の変遷ですが、それもこの「過小評価」がなければ起こらなかったことです。あと母親思いですね。#水滸キャラのココがスキ #雷横 pic.twitter.com/IpCJlbRwBq
作中ではあまり報われない(多分、晁蓋も宋江も、逃げるとき雷横にかばってもらったとは最後まで知らなかったんじゃないかと思う)ですが、人物紹介本では手厚くフォローされる傾向にあります。『水滸伝人物事典』では、いつも辛口の高島先生が、珍しくかなり持ち上げています。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年9月8日
108星いいところチャレンジ 李俊!
宋江と同じでリーダーとして人の信頼を集める資質がありますが、宋江と違って人間性に「実」があります。仲間との繋がりを大事にする一方で自由を愛する李俊。その方臘戦直後の選択には、色々と考えさせられます。#水滸キャラのココがスキ #李俊 pic.twitter.com/2lJqDr7kno
李俊は、『水滸伝の世界』で一章を費やされるだけあって、たくさんの考察ポイントを持っています。ただ、彼の標榜する「自由」は、明清の中国の民衆にはピンとこなかったらしく、李逵や魯智深らに比べウケなかった、とのこと。翻って現代の日本では、人気はかなり高い方だと思います。李俊を悪く言う人は見たことがないです。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年9月10日
108星いいところチャレンジ 阮小二!
どの媒体の画像を見ても、漁師らしく風情のある佇まいですね。実際、梁山湖で人探し中にこんな頼もしい漁師さんに出くわしたら、スパイである可能性なんか考えずに、つい手の内をさらけ出してしまいそうです。#水滸キャラのココがスキ #阮小二 pic.twitter.com/kEj645Wvqv
画像:百家出版社『水浒一百零八将』より
後になって思い出したんですが、小二は死に方もかなり印象深いですよね。敵に捕まって、捕虜になるよりはと自決しています。阮兄弟は、三人の中で若干の個性の違いはあるものの、何よりもまず「好漢の気概を持った漁師」で、それが三人の原点なんだと思います。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年9月11日
108星いいところチャレンジ 張横!
張順とは違って特殊技能があるわけではなく、色が白いという描写もない、単なるゴロツキの船頭ですが、兄弟仲は本当によさそうですね。関勝戦、方臘戦では兄弟の絆を見せてくれました。あと、うどんすいとんは名言。#水滸キャラのココがスキ #張横 pic.twitter.com/m86cn3uIlq
この横光版の張横は、キャラデザこそ海賊っぽいですが、童兄弟の代わりに李俊について出てきたおとなしい奴で、川の真ん中で宋江を殺そうとかもしていません。こういうきれいな張横もいいんですが、存在感はあまりないですよね。好漢の個性って、どギツさで決まるようなところありますからね。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年9月11日
108星いいところチャレンジ 阮小五!
いつも母のかんざしのことでイジられてますが、兄弟の中では一番豪傑らしく逞しく描かれることが多いですね。また、兄ほど常識人でもなく、弟ほどやりたい放題でもなく、バランス感覚がある気がします。#水滸キャラのココがスキ #阮小五 pic.twitter.com/YVGsUSD1pX
画像:『ジャイアントロボ 地球が静止する日 完全設定資料集』より
一番奥にいるのが阮小五です。GRは、水滸ファンにとっては嬉しい想定外でしたよね。横光デザインの阮兄弟がバリバリ動いてるところを見られただけで満足です。呼延灼将軍の名前の切るところが違うとか、一清より樊瑞のが偉そうとか、そういう細かいことは全部無視して楽しめます。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年9月13日
108星いいところチャレンジ 張順!
性格的に目立ちたがりではないのですが、卓越した技能に裏打ちされた活躍を要所要所でしています。特に印象的なのは方臘戦での討死シーンです。作戦自体は失敗ですが、日本でもよく芸術作品の題材になっています。#水滸キャラのココがスキ #張順 pic.twitter.com/yZO5AlwP2p
青森のねぶた祭りで賞をとった作品のタイトルをボーッと眺めていたところ、「張順 水門を破る」という作品が平成8年の大賞を獲得しており、そこがターニングポイントとなってねぶたの歴史が変わっていることがわかりました。それまではほぼ全ての賞が日本を題材にしたねぶたに授与されていますが、そこから突然、『水滸伝』、ひいては中国の物語を題材にしたねぶたが登場します。張順の戦死はそれほど絵になる、物語性の強いエピソードなんですね。厳密に言えば、水門破ってませんけどね。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年9月13日
108星いいところチャレンジ 阮小七!
兄弟のなかで一番無鉄砲そうな末っ子が、最後まで生き残ってしまうのがいいですね。方臘の服を着てふざけたシーンも印象深いですし、後伝ではその延長で李逵のような言いたい放題の役回りを引き受けています。#水滸キャラのココがスキ #阮小七 pic.twitter.com/KUPwzjuzAp
画像:『漫画で読破 水滸伝』より
本当は北京電視台版の役者さんの写真を拾いたかったんですが、うまくでてきませんでした。
小七さんは阮三兄弟の生き残りです。もっと言えば七星の、そして晁蓋を頭領としてスタートした梁山泊初期メンバーの唯一の生き残りです。そのことを本人がどう捉えていたかは、考察のし甲斐があります。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年9月14日
108星いいところチャレンジ 楊雄!
楊雄は彼なりのやり方で妻を大事にし、家庭を守ろうとしていたと思うんですよね。ただ、その方法が、潘巧雲が期待したのとは全く違っていたというだけで。その不器用なすれ違いが痛々しく、話としては面白いです。#水滸キャラのココがスキ #楊雄 pic.twitter.com/ZUiUtpT3JM
画像:ドラマ『水滸英雄傳 鼓上蚤時遷』DVDジャケットより
だから、潘巧雲はそこまで悪女というわけではないんですよね。個人的には、家族を養うためにお仕事を頑張ってるのに、「家を空けがちで寂しい」とか言ってくるのは何なんだー!!……と、楊雄の味方をしたくなりますが。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年9月15日
108星いいところチャレンジ 石秀!
楊雄、時遷、盧俊義と、繋がりを持った人の危機に際して、自分のこと以上に一生懸命になれる、稀有な気性の持ち主です。「拼命三郎」の渾名は、彼が物語に登場する前からそうした気性であったことを示しています。#水滸キャラのココがスキ #石秀 pic.twitter.com/Gc7Esldd8I
画像:別冊太陽『宮田雅之の切り絵 史記・水滸伝・唐代伝奇・三国志』より
祝家荘の鍾離老人とのやりとりは素晴らしかったです。あれも、しばらく一緒に旅をした時遷のことを、何とか救い出したいと、懸命になった結果だと思うんですよね。だから、自分は「石秀は誰かに特別執着したりとかはしていない」という解釈です。王道ではないかもしれませんが。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年9月16日
108星いいところチャレンジ 解珍!
虎の毛皮を着て得物は刺叉、いつも二人組で行動していて、兄の渾名は両頭蛇、弟の渾名は双尾蝎……というのは、属性盛りすぎの感がありますね。盛りすぎて逆に目立たなくなってるじゃないですか。だがそこがいい。#水滸キャラのココがスキ #解珍 pic.twitter.com/4Cb0VtNxBh
解兄弟は「108星いいところチャレンジ」におけるハードルの1つですが、ここは「兄弟のいいところ」を2つ言うことでクリアしました。
全然関係ないんですが、前にネットで「解兄弟のカラオケの十八番は『あずさ2号』」という書き込みを見て、妙に感心してしまった思い出があります。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年9月18日
108星いいところチャレンジ 解宝!
征遼戦は全体にあまりぱっとしないですが、解兄弟が山に入って地元の人から地形の情報を聞き出すくだりは、風情があって好きです。誰よりも山を知っているこの兄弟。もっと見せ場があってもよかったと思います。#水滸キャラのココがスキ #解宝 pic.twitter.com/0VV4bmXO7M
画像:『女子読み「水滸伝」』より
横光のコミカルな造形のキャラが虎かぶってると「何これかわいい」ってなりますが、リアルに寄せた絵柄のおじさんが虎かぶってるのは、なんかシュールで笑えますね。現代の都会でやってたらアウトですが、宋代の山奥と思えば全然アリです!!
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年9月18日
108星いいところチャレンジ 燕青!
昔は、出ずっぱりで人に見せ場を譲ることを知らない燕青が好きじゃなかったんですが、「そうか、この子は注目を浴びるのが好きなんだ。まだまだ精神的にガキなんだな」と思ったら、苦手意識がなくなりました。#水滸キャラのココがスキ #燕青 pic.twitter.com/3BEwgINMhg
前は燕青と林冲が108星中の苦手キャラのツートップだったんですが、そういうわけでそこから燕青が抜けたので、林冲一人が苦手という状況になって久しいです。これはもう、覆らないでしょうね。残念ですが。
今回は以上です。
次は108人の折返し時点の第54位までつぶやき終わった後、忘れた頃にひっそりと、投下したいと思います。