「108星いいところチャレンジ」にちょっと補足 1/6
企画「#水滸キャラのココがスキ」に乗っかって「108星いいところチャレンジ」を始めて、はや3週間。こちらでは、画像の出典含め、Twitter上の字数制限に阻まれて言えなかったことを少しずつ補足していこうと思います。18人分ずつ、全6回の予定です。
それでは、さっそく参りましょう。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年8月14日
108星いいところチャレンジ まずは宋江!
どこまでが素でどこからが計算なのか、読めないところが面白いです。個人的には「全員揃って招安されたい」というのが素の願いで、汚い手を使うのもその悲願達成のため、と思うのですがどうでしょう。#水滸キャラのココがスキ #宋江 pic.twitter.com/HVMszpynzS
画像:『女子読み「水滸伝」』より
このブログでは前にも書いたのですが、自分の中の宋江像は、『女子読み』の解釈とほぼ一致しているんですね。『女子読み』宋江の項の最後の文章に感銘を受けたので、コロコロした宋江のイラストといっしょに写真に収めさせていただきました。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年8月15日
108星いいところチャレンジ 盧俊義!
名誉と金があって風采も立派、武芸もかなりの強さ。なのに頭の中はちょっと残念。そんな人物が数万人の集団のNo.2という状況が面白いです。皆様の周りにも、こんなおじさんいませんか。#水滸キャラのココがスキ #盧俊義 pic.twitter.com/iayLKDOLvm
「おのれ みんなでふざけおって」というセリフのマヌケさがツボに入りました。風采が立派で何となく有能そうであれば、中身残念でも重要なポジションに立てる、というのは割とどこにでもある話です。そう考えると盧俊義ってリアル感あります。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年8月16日
108星いいところチャレンジ 呉用さん!
智取生辰綱の頃から晁蓋のために働き、後には宋江の梁山泊のために尽力するようになる軍師。この変節の理由は何なのか、考察し甲斐のある良キャラです。中央電視台版のドラマがこの点深く掘り下げてました。#水滸キャラのココがスキ #呉用 pic.twitter.com/1WsJqk3nJr
画像:北京中央電視台版『水滸伝』のスクショ(拾いもの)
呉用さんて、晁蓋が曾頭市を攻める際には連れて行ってもらってないんですよ。なので、その前のどこかの段階で晁蓋と決裂していると考える方が、もしかすると自然かもしれません。旧版ドラマでは確か、曾頭市より前に、呉用さんが宋江に「私は今後あなたの理念のために働きます」みたいなことを明言していたと思います。確か(うろ覚え)。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年8月17日
108星いいところチャレンジ 公孫勝
一清先生は梁山泊への復帰後、敵方に妖術使いがいるとわかっているときしか法術を使ってないんですね(例外があったらゴメン)。堅気に手を出さないみたいなポリシーが感じられていいです。あと母親思いですね。#水滸キャラのココがスキ #公孫勝 pic.twitter.com/K0fKyt3kyY
画像:鳥居久靖訳『水滸後伝』より
戦況の報告を聞いて「それは妖術であろう。となれば貧道の出番でござるな」と言いつつゆっくり腰を上げるみたいな感じ、なんか憧れますね。そんなオトナになりたい人生だった……って、厨ニが過ぎますねw
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年8月18日
108星いいところチャレンジ 関勝!
登場が遅いせいか影が薄いですが、実は他の好漢との間にいいエピソードをたくさん持ってます。入山後、呼延灼、索超、張横、阮小七、宣贊、郝思文、単廷珪、魏定国らとの関係がどう変容したのか、気になるところです。#水滸キャラのココがスキ pic.twitter.com/vE3z4Q8S6p
関勝を宋江のもとへ連れて来たのは呼延灼です。ただ、このエピソード、原作だとちょっとひどい感じなので(ひどさレベルは徐寧や李応に匹敵)、現代の日本に蘇らせる際にはクリエイターの手腕が問われます。さいとう版は素晴らしいリメイクでした。自分はもう少し違うアイデアがありますが。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年8月19日
108星いいところチャレンジ 林冲!
蛇矛という武器の形が個性的でいいと思います!でもこれ、力が数点に分散するので、ぶった斬ったり刺したりするにはあまり適してなさそうですよね。鞭と同じように、打撃によるダメージが主体なんでしょうか。#水滸キャラのココがスキ #林冲 pic.twitter.com/WredFCv195
画像:『女子読み「水滸伝」』より
武器のことしか話してなくてすみません……108星中唯一の苦手キャラなので……。
全然関係ないんですがジョジョ1部はジョナサンとエリナの主人公カップルが嫌いで、でもディオ様が面白すぎたおかげで最後まで読めたクチです。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年8月20日
108星いいところチャレンジ 秦明!!
秦明のよさはやはり、血気盛んな輩の集団の中にありながら他の追随を許さない「キレ芸」でしょう!
頭から湯気を立てつつ敵に突っ込んでいって罠にハマるのを見ると、「いつもの」って感じで安心します。#水滸キャラのココがスキ #秦明 pic.twitter.com/O2aY9O8W7h
画像:百家出版社『水浒一百零八将』より
この何にも考えてなさそうな顔が好きすぎるww
武将としての能力のパラメータをつくってみたら、関勝や林冲、呼延灼らと比べて、著しくバランスが崩れた図になりそうです。そのピーキーっぷりが持ち味です。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年8月21日
108星いいところチャレンジ 呼延灼!
強い!恐ろしい!そしてとにかく往生際が悪い!
大砲を失っても連環馬を失っても踢雪烏騅を失っても諦めずに三山に喧嘩を吹っ掛ける!最後はマトモな判断力を失ってごく簡単な罠に突っ込んでいく!素晴らしい!#水滸キャラのココがスキ #呼延灼 pic.twitter.com/pIukXbR3dh
呼延灼戦は最初から最後まで、どこをとっても面白いです。呼延将軍が往生際悪くじたばた足掻いてくれたおかげで、たくさんの仲間が梁山泊入りできましたしね。最後の余裕のなくなった呼延将軍の演出は、やっぱり横光版が最高です。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年8月22日
108星いいところチャレンジ 花栄!
獲物が弓ってところがいいですね。武器を構えたポーズが映える好漢No.1だと思っています(異論は認める)。武器のおかげで、ちょっと変わった活躍もあります。招安時、梁山泊を騙そうとした使者の頭を射たりとか。#水滸キャラのココがスキ #花栄 pic.twitter.com/kDRe2zCH0u
画像:『絵巻水滸伝』の画集より
弓キャラは作品問わず、なぜか優男風の人が多いですよね。『ロードオブザリング』のエルフとか、『ドリフターズ』の那須与一とか(←これは史実?)。「武器を構えたとき絵になるように」という気持ちが、キャラ設定に先行している気がします。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年8月23日
108星いいところチャレンジ 柴進!
一番はやっぱり、家系がとんでもないってことですね。後周の柴栄に始まり、『楊家将』の柴郡主を輩出した家系です。とてもおっとりしたお公家さんのイメージには収まりません。好んで密偵行動をしたりもします。#水滸キャラのココがスキ #柴進 pic.twitter.com/8WiJUbE0Wr
単なるお公家さんなら、家にならず者をたくさん飼ったりしないし、使用人に化けて皇帝の部屋に忍び込んだりしないし、方臘の陣地深くに潜入したりしないと思うんですよね……たまに見せるわけのわからない大胆さは、血筋から来るものだろうと妄想しています。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年8月24日
108星いいところチャレンジ 李応
生まれつき福の神に取りつかれているけど、その代わりに苦手なことはとことん苦手そうじゃないですか?李応って。
会社の重役なんだけど、パソコンは人差し指2本で打ってるおじさんみたいな脳内イメージです。#水滸キャラのココがスキ #李応 pic.twitter.com/AnUJnNcjYx
画像:鳥居久靖訳『水滸後伝』より
『水滸伝人物事典』では「最年長ちゃうやろか」、『一〇八星のプロフィール』では「五十歳近いような印象を受ける」と言われたお方です。苦手分野は杜興さんが補ってくれてるでしょう。しかし、その杜興さんの能力を充分に引き出せるあたりは、やはり大物の器と言っていいと思います。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年8月25日
108星いいところチャレンジ 朱仝さん!
長所ばかりで、逆に短所を見つけるのが難しいお人です。強いて言えば、お祭りで坊っちゃんから目を離したのと、宋江と呉用も悪いのに李逵ばっかり責めるのはいかんでしょwwと思いますが、あとは完璧です。#水滸キャラのココがスキ #朱仝 pic.twitter.com/EvSGXiJ8zw
画像:上海古籍出版社 『戴敦邦 新绘 水浒传』より
朱仝さんはよく色んな媒体で、坊っちゃんと一緒にイラストになってるんですが、切なくなるので、隠れていた宋江を発見したシーンの画像を選びました。あと、強いて言えば「当初は雷横の意図を見抜けなかった」というのも欠点にあたるかもしれませんが、作品的にはむしろそれで面白くなってるのでOKです。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年8月26日
108星いいところチャレンジ 魯智深!
なんか智深と一緒にいると大体の好漢が2割増くらい陽気に見える気がします。特に林冲と楊志さんがそうです。場の雰囲気をパッと明るくする才能の持ち主なんでしょうね。まさか、物理で……?(頭を見ながら)#水滸キャラのココがスキ #魯智深 pic.twitter.com/gU5lWy3rgV
画像: 蔡志忠『英雄好汉的本色 水浒传』より
まあ中には、智深と一緒にいても陽気にならない好漢もいるんですけどね。桃花山の李忠と周通がそうです。パッと明るく照らし出されると、陰が余計に濃くなってしまうタイプですね。そして智深は空気を読まないので、誰彼構わず照らしてはひんしゅくを買っています。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年8月27日
108星いいところチャレンジ 武松さん!
いつでも自分の考える「好漢」像に忠実な生き方を選ぶところ、また、そんな生き方をできるだけの強さと賢さを兼ね備えているところがスゴイです。牢屋に入る前の殺威棒を自ら所望する人物は彼くらいですね。#水滸キャラのココがスキ #武松 pic.twitter.com/TQXCDPV6h0
画像:北京中央電視台版『水滸伝』日本語版DVD
逆に言えば、武松のように強くない、あるいは賢くない人が、理想の「好漢」像に忠実に生きるのは、本当に難しいことだと思います。武松さんですら、梁山泊の招安以降は、理想とかけ離れた生き方を強いられています。せめて六和寺での余生が穏やかなものであったことを願うばかりです。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年8月28日
108星いいところチャレンジ 董平!
風流、張清の石をギリギリで避けられる敏捷さ、度を越した負けず嫌いなど、良キャラになれるポテンシャルは持っているのに、作中で生かされず、残念系キャラで終わってしまう哀しさ。それも一つの味ですね。#水滸キャラのココがスキ #董平 pic.twitter.com/8QuZh8MRfN
なんと、この本のなかで一番目立つポジションを、董平が占拠しています!装丁を担当した人は、果たしてどれほど『水滸伝』に明るかったのでしょうか……。
それにしても、本当にこの人は……。燕青の出番のうち1割でも譲ってもらえてたら、随分印象が違っていたと思うのですが。そんな配慮は要りませんか。そうですか。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年8月29日
108星いいところチャレンジ 張清!
獲物の石つぶてがイイですね!「必ず当たるけど致命傷にはならない」という、長所と短所を持ち合わてる感がグッときます。
あと、董平とは違って友人が多いようです。頼るのも頼られるのもうまい感じがしますね。#水滸キャラのココがスキ #張清 pic.twitter.com/L65BvfGJBR
画像:『女子読み「水滸伝」』より
瓊英ちゃんの夢の中に出て惚れてもらわないといけないので、イケメン風に描いてもらってますね。
逐一「董平とは違って」という言葉を挟みたくなる程度には、董平と張清の扱いは違います。張清は安先生や皇甫先生とマブダチっぽい感じがしますが、董平って張清以外に友達いたんでしょうかね。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年8月30日
108星いいところチャレンジ 楊志さん!
欠点の多い人です。しかしその欠点が『水滸伝』の物語と彼自身に、厚みと魅力をもたらしています。
呼延灼に攻め込まれたとき、かつての怨恨を踏み越え「梁山と連合しよう」と提案したシーンは忘れられません。#水滸キャラのココがスキ #楊志 pic.twitter.com/2XgG7VrBQs
横光版の楊志さんは最初に出てきたときと、二竜山の頭領として再登場したときでデザインが違います。これはアフターの方で、若干ブラック・ジャック先生が入っています。
このツイートは他よりテンション高めかもしれません。横光版を読むなかで、「このキャラ面白いな!」としみじみ思った最初の人物が楊志さんだったので。
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— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年8月31日
108星いいところチャレンジ 徐寧さん!
「天祐星 金鎗手 徐寧」という文字列がなんかもう格好いいです。呼延灼戦においては彼(及び鉤鎌鎗)の存在がまさに天祐でしたね。あと、結構テンパりやすいところがツボです。湯隆に完全に操られてましたね。#水滸キャラのココがスキ #徐寧 pic.twitter.com/i1lOapP1KL
画像:百家出版社『水浒一百零八将』より
徐寧さんの梁山泊入りエピソードは大概ひどいですが、湯隆としてはガチで、いとこのお兄さん(と鉤鎌鎗)は梁山泊に入ったほうが生き生きと輝けるはずだから、長い目で見ればお兄さん(と鉤鎌鎗)のためになることなんだ、と考えてこの計画を立てたのでしょう。そう信じたいです。
今回は以上です。
次回は、天罡星分のいいところチャレンジが終わった頃に、おいそれと投下したいと思います。