梁山から来ました

中華圏の小説、ポーランドボール、SCP財団、作曲、描画などが好き。皆様のお役に立てる/楽しんでいただけるコンテンツ作りを目指して、試行錯誤の日々です。

「108星いいところチャレンジ」にちょっと補足 1/6

企画「#水滸キャラのココがスキ」に乗っかって「108星いいところチャレンジ」を始めて、はや3週間。こちらでは、画像の出典含め、Twitter上の字数制限に阻まれて言えなかったことを少しずつ補足していこうと思います。18人分ずつ、全6回の予定です。

それでは、さっそく参りましょう。

 

画像:『女子読み「水滸伝」』より 

このブログでは前にも書いたのですが、自分の中の宋江像は、『女子読み』の解釈とほぼ一致しているんですね。『女子読み』宋江の項の最後の文章に感銘を受けたので、コロコロした宋江のイラストといっしょに写真に収めさせていただきました。

 

画像:横山光輝版『水滸伝』より

「おのれ みんなでふざけおって」というセリフのマヌケさがツボに入りました。風采が立派で何となく有能そうであれば、中身残念でも重要なポジションに立てる、というのは割とどこにでもある話です。そう考えると盧俊義ってリアル感あります。

 

画像:北京中央電視台版『水滸伝』のスクショ(拾いもの)

呉用さんて、晁蓋が曾頭市を攻める際には連れて行ってもらってないんですよ。なので、その前のどこかの段階で晁蓋と決裂していると考える方が、もしかすると自然かもしれません。旧版ドラマでは確か、曾頭市より前に、呉用さんが宋江に「私は今後あなたの理念のために働きます」みたいなことを明言していたと思います。確か(うろ覚え)。

 

画像:鳥居久靖訳『水滸後伝』より

戦況の報告を聞いて「それは妖術であろう。となれば貧道の出番でござるな」と言いつつゆっくり腰を上げるみたいな感じ、なんか憧れますね。そんなオトナになりたい人生だった……って、厨ニが過ぎますねw

 

画像:さいとうたかお版『水滸伝』より

関勝を宋江のもとへ連れて来たのは呼延灼です。ただ、このエピソード、原作だとちょっとひどい感じなので(ひどさレベルは徐寧や李応に匹敵)、現代の日本に蘇らせる際にはクリエイターの手腕が問われます。さいとう版は素晴らしいリメイクでした。自分はもう少し違うアイデアがありますが。

 

画像:『女子読み「水滸伝」』より

武器のことしか話してなくてすみません……108星中唯一の苦手キャラなので……。

全然関係ないんですがジョジョ1部はジョナサンとエリナの主人公カップルが嫌いで、でもディオ様が面白すぎたおかげで最後まで読めたクチです。

 

画像:百家出版社『水浒一百零八将』より

この何にも考えてなさそうな顔が好きすぎるww

武将としての能力のパラメータをつくってみたら、関勝や林冲呼延灼らと比べて、著しくバランスが崩れた図になりそうです。そのピーキーっぷりが持ち味です。

 

画像:横山光輝版『水滸伝』より

呼延灼戦は最初から最後まで、どこをとっても面白いです。呼延将軍が往生際悪くじたばた足掻いてくれたおかげで、たくさんの仲間が梁山泊入りできましたしね。最後の余裕のなくなった呼延将軍の演出は、やっぱり横光版が最高です。

 

画像:『絵巻水滸伝』の画集より

弓キャラは作品問わず、なぜか優男風の人が多いですよね。『ロードオブザリング』のエルフとか、『ドリフターズ』の那須与一とか(←これは史実?)。「武器を構えたとき絵になるように」という気持ちが、キャラ設定に先行している気がします。

 

画像:横山光輝版『水滸伝』より

単なるお公家さんなら、家にならず者をたくさん飼ったりしないし、使用人に化けて皇帝の部屋に忍び込んだりしないし、方臘の陣地深くに潜入したりしないと思うんですよね……たまに見せるわけのわからない大胆さは、血筋から来るものだろうと妄想しています。

 

画像:鳥居久靖訳『水滸後伝』より

水滸伝人物事典』では「最年長ちゃうやろか」、『一〇八星のプロフィール』では「五十歳近いような印象を受ける」と言われたお方です。苦手分野は杜興さんが補ってくれてるでしょう。しかし、その杜興さんの能力を充分に引き出せるあたりは、やはり大物の器と言っていいと思います。

 

画像:上海古籍出版社 『戴敦邦 新绘 水浒传』より

朱仝さんはよく色んな媒体で、坊っちゃんと一緒にイラストになってるんですが、切なくなるので、隠れていた宋江を発見したシーンの画像を選びました。あと、強いて言えば「当初は雷横の意図を見抜けなかった」というのも欠点にあたるかもしれませんが、作品的にはむしろそれで面白くなってるのでOKです。

 

画像:  蔡志忠『英雄好汉的本色 水浒传』より

まあ中には、智深と一緒にいても陽気にならない好漢もいるんですけどね。桃花山の李忠と周通がそうです。パッと明るく照らし出されると、陰が余計に濃くなってしまうタイプですね。そして智深は空気を読まないので、誰彼構わず照らしてはひんしゅくを買っています。

 

画像:北京中央電視台版『水滸伝』日本語版DVD

逆に言えば、武松のように強くない、あるいは賢くない人が、理想の「好漢」像に忠実に生きるのは、本当に難しいことだと思います。武松さんですら、梁山泊の招安以降は、理想とかけ離れた生き方を強いられています。せめて六和寺での余生が穏やかなものであったことを願うばかりです。

 

 

画像:伊原弘『「水滸伝」を読む 梁山泊の好漢たち」より

なんと、この本のなかで一番目立つポジションを、董平が占拠しています!装丁を担当した人は、果たしてどれほど『水滸伝』に明るかったのでしょうか……。

それにしても、本当にこの人は……。燕青の出番のうち1割でも譲ってもらえてたら、随分印象が違っていたと思うのですが。そんな配慮は要りませんか。そうですか。

 

画像:『女子読み「水滸伝」』より

瓊英ちゃんの夢の中に出て惚れてもらわないといけないので、イケメン風に描いてもらってますね。

逐一「董平とは違って」という言葉を挟みたくなる程度には、董平と張清の扱いは違います。張清は安先生や皇甫先生とマブダチっぽい感じがしますが、董平って張清以外に友達いたんでしょうかね。

 

画像:横山光輝版『水滸伝』より

横光版の楊志さんは最初に出てきたときと、二竜山の頭領として再登場したときでデザインが違います。これはアフターの方で、若干ブラック・ジャック先生が入っています。

このツイートは他よりテンション高めかもしれません。横光版を読むなかで、「このキャラ面白いな!」としみじみ思った最初の人物が楊志さんだったので。

 

画像:百家出版社『水浒一百零八将』より

徐寧さんの梁山泊入りエピソードは大概ひどいですが、湯隆としてはガチで、いとこのお兄さん(と鉤鎌鎗)は梁山泊に入ったほうが生き生きと輝けるはずだから、長い目で見ればお兄さん(と鉤鎌鎗)のためになることなんだ、と考えてこの計画を立てたのでしょう。そう信じたいです。

 

 

今回は以上です。

次回は、天罡星分のいいところチャレンジが終わった頃に、おいそれと投下したいと思います。