梁山から来ました

中華圏の小説、ポーランドボール、SCP財団、作曲、描画などが好き。皆様のお役に立てる/楽しんでいただけるコンテンツ作りを目指して、試行錯誤の日々です。

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 035


なんか、下の子に対して、「お前が人様と諍いを起こしたことをお兄ちゃんが知ると、お兄ちゃんは怒ってその人を殺しに行くから、絶対に言ったらいかんよ」って注意する親、かなりシュールじゃないですか…?

宋代においても、人を殺したら一応棒叩きの上流罪にされたりしているわけだから、人殺しは悪いことなんですよね、たぶん。
だったら、息子が悪いことしないようにちゃんとしつけてくださいよ、穆大公……。

まあ、親の言うことなんか聞く耳持たないからこその「没遮攔」なんでしょうけどねw


それにしても、人殺しをした場合の加害者の取り扱いって、水滸伝の中でもまちまちだったりしますよね。
被害者が上級国民だったり、有力な家族や後ろ盾があって、役人にたくさん付け届けができる場合は、加害者は非常に重く罰されます。
逆に、被害者に身寄りがなくて、「裁判を被害者側に対し有利に運ぼう」という動きが特に起こらない場合は、加害者に対する罰もおざなりです。
また、加害者の側も同様に、地位や評判、金離れのよさが、罪の軽重に大きく影響してきます。

穆弘は、これまでに何人か殺したことがあるかもしれませんが、殺した相手が薛永に類するような流れ者だった場合、大きな罪には問われなかった可能性はありますね。
父親も地方の有力者ですしね。


要するに、人の命はもともと、平等ではなかったんです。それもかなり長い年月、かなりたくさんの地域で。

今ある制度は、命の不平等さに苦しめられた何億もの人々の、犠牲の上に成り立っているものだと。
そんなことを、考えます。

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