水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 035
流れ者が掲揚鎮で商売をするには、まず穆弘、穆春の兄弟に許可を得る必要があった。弟の穆春が薛永に殴られたときには、父の穆太公はそのことは決して穆弘に告げてはいけない、弟が殴られたことを知れば彼は黙っていないし、またしても人殺し騒ぎになると穆春に注意している。
— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2019年9月5日
【プロフ 穆弘の項】
なんか、下の子に対して、「お前が人様と諍いを起こしたことをお兄ちゃんが知ると、お兄ちゃんは怒ってその人を殺しに行くから、絶対に言ったらいかんよ」って注意する親、かなりシュールじゃないですか…?
宋代においても、人を殺したら一応棒叩きの上流罪にされたりしているわけだから、人殺しは悪いことなんですよね、たぶん。
だったら、息子が悪いことしないようにちゃんとしつけてくださいよ、穆大公……。
まあ、親の言うことなんか聞く耳持たないからこその「没遮攔」なんでしょうけどねw
それにしても、人殺しをした場合の加害者の取り扱いって、水滸伝の中でもまちまちだったりしますよね。
被害者が上級国民だったり、有力な家族や後ろ盾があって、役人にたくさん付け届けができる場合は、加害者は非常に重く罰されます。
逆に、被害者に身寄りがなくて、「裁判を被害者側に対し有利に運ぼう」という動きが特に起こらない場合は、加害者に対する罰もおざなりです。
また、加害者の側も同様に、地位や評判、金離れのよさが、罪の軽重に大きく影響してきます。
穆弘は、これまでに何人か殺したことがあるかもしれませんが、殺した相手が薛永に類するような流れ者だった場合、大きな罪には問われなかった可能性はありますね。
父親も地方の有力者ですしね。
要するに、人の命はもともと、平等ではなかったんです。それもかなり長い年月、かなりたくさんの地域で。
今ある制度は、命の不平等さに苦しめられた何億もの人々の、犠牲の上に成り立っているものだと。
そんなことを、考えます。