水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 040
彼は呉用先生の支持に従って完璧な仕事をしたの。だけど、そもそもの指示が間違ってたのよね。判子にはいろんな種類があって、同一人物でも用途によって使い分けてるの。呉用先生はそこをついうっかりして、私信用と公文書用を取り違えちゃったのよ。
— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2019年9月13日
【女子 金大堅の項】
実は初めて『水滸伝』を読んだとき、この「間違った印鑑をつくって押してしまった」という箇所の意味が、何回読んでもよくわかりませんでした。
とにかく、誤先生のうっかりのせいで、印鑑から蔡京の手紙が偽物だとバレてしまい、宋江と戴宗の身が危ないので早く助けに行かなければ、というところだけ把握し、先に進みました。
今思うと、ここがわからなかったのは、自分が人生経験の浅い大学生だったからという気がします。私人として書く手紙と、組織の代表者として発する文書の違いがわかるようになったら、自然と理解できるようになりました。
その意味で、上記の『女子読み水滸伝』の説明はとてもわかりやすいですね。中学生や高校生でも、細かいことはともかく、問題の本質は理解できるように書いてくれています。
この本が最初から手元にあったなら、こんな細部に引っかかることもなかったのに……
なんて、今更言っても始まりませんがw
それにしても…
ふと思ったんですが、現代の感覚からすると、「罪人の首を斬らずに首都まで送ってこい。処罰はこっちで行う」なんて連絡を、私的な手紙としてやりとりする親子(というか、「そっちの方が自然」という状況)、とんでもないですね。
案件は、政治犯の処遇についてですよ?
今なら、人事の関係で親子間のやりとりになってしまったとしても、指示を出す側はその指示を公文書として作成し、相応しい役職の公印を押して送り、受け取る側も公人として受領した上で、然るべき措置を行う、という流れになると思うのですが…。
蔡京親子が国家権力を私物化していて、周囲もそれに対し何とも思っていなかった、ということなんでしょうかね。
ちなみに、『女子読み水滸伝』のこの記述の後には、「これ、金大堅は怒っていいわよね?」と続くのですが、字数の関係で入りませんでした。ざんねん。