梁山から来ました

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水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 061


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98年のドラマ(いわゆる旧版)のこのシーンが好きなんですよ。

 

稚児姿の李逵は、髪を2つのわげに結い……

要するに、14歳当時の徐倫と言いますか……

昨今のプリキュアとか萌えヒロインによくある……

なんて言うんですかね、アレ?ハーフアップツインシニヨン

頭の上半分の毛を使って左右の高い位置にお団子を結い、下半分はそのまま流すという髪型をしています。

 

ドス黒い顔の中でギョロリと剥いた三白眼が輝き、筋肉モリモリ…というか若干メタボの入った体型で、頭頂部が寂しくなりかけているオッサンが、よりによってその髪型。

 

ヤバいというか、最早ヤクい(最近の若い人たちは『涅槃姫みどろ』のネタは通じませんかね?)。

世間一般の常識では測ることができない、神の領域に足を踏み入れた者の風体です。

 

往来を歩くうちに子どもたちの目にとまり、「わー!変なやつがいるぞー!」みたいな感じでたかられて、実に鬱陶しそうな顔をしながらも、呉先生に叱られるのを恐れてか、一切手出しをしない李逵の姿は、一見に値します。未見の方は是非見るヨロシ。

 

ドラマでは割愛されていたエピソードかと思うのですが、李逵は原作ではもう一回、その髪型をしたことがあります。70回台の前半、百八星勢揃いから対童貫戦までの間です。

招安のために開封を訪れた宋江に無理やり着いて行って大騒ぎをした李逵は、その後、燕青と二人で逃げ延びるんですね。どさくさにまみれて頭巾をなくし、ザンバラ髪になった李逵を、燕青はハーフアップツインシニヨン!にしてあげます。

何でよりによってそのヘアスタイルなんでしょうね?器用キャラで通っている燕青のことだから、もっとマトモな髪型にだって、できたはずなのに……。

 

とにかく、そんなヤクすぎる外見の李逵に、ある村の大公が目を留めます。「あれはきっと神の領域に足を踏み入れた人だから、我々が襲われている怪異も、尋常ならざる方法で解決してくださるに違いない」というわけですね。

しかし中国や日本では、「神」というのは古来、いつでも人間に利益をもたらしてくれる存在というわけではありませんでした。それは「鬼」にも通じる概念で、人間とは違う原理に基づいて行動し、時には人間にはとても太刀打ちできないような災厄を、もたらすこともあったのです。

 

李逵は実際、天上の妖星の生まれ変わりです。正真正銘の「神がかり」であり、このときも、大公の悩みをズバッと解決してあげました。

ただし……人の世の良識とは、かけ離れたやり方によって。

 

 

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