梁山から来ました

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水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 053


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『図解雑学 水滸伝』の「水滸伝の家計簿」の項では、作中に登場する金銭価値を現代のものにざっくり換算すると、幾らになるかを考察しています。

勿論、当時と今とでは、どんなモノに価値を置くかが全く異なるわけで、計算は厳密なものではありえませんが…

それでも大体の規模感がわかれば、作品の深読みもはかどる、というもの。

 

このツイートにある「清風山の通り賃」は、実は通行料として求められたものではありません。

もし、目的が「金を取ること」で、燕順たちに旅人を通してやるつもりがあるなら、もう1桁くらいは少ない金額を要求した方が現実的でしょう。

三千貫(三千両)というのは、黄信と劉高が宋江花栄を捕まえて車に載せ、護送していくときに、清風山を通りがかって要求された金額なんですね。

つまり、燕順たちは彼らをそのまま行かせるつもりが全くないので、こんなべらぼうな金額を口から出任せに言ってみた、というわけ。

果たせるかな、黄信は挑発に乗って燕順たちに突っかかり、三人から攻められて逃げ出し、「名実ともに鎮三山!」ではなかったことを露呈してしまうのでありました…。

 

それにしても、『図解』のこの項を読んでいると、賞金首などに「三千貫」という金額がよく出てくることがわかります。

語呂がよく、「かなりの高額」を表す場合にうってつけのフレーズだったのでしょうかね。

今の日本の小学生が言う、「いっせんまんえん」とかと同じノリで。



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