水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 048
主人の李応に従って梁山泊入りし、戦後も李応とともに行動した。こうしたことからも、恩を受けた人のためには誠心誠意働くという真面目さを持った男だということがわかる。だが、特に強いわけではないし、豪傑らしい豪快さに欠けており、梁山泊ではあまり活躍できなかった。
— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2019年10月14日
【プロフ 杜興の項】
杜興はつまらぬ事情で人を殺し、楊雄に庇ってもらった過去がある、とのこと。
この部分の記述は、初めて読んだときには「ほへー…そんなもんか」とスルーしていたと思います。何せ水滸伝世界には、つまらぬことで人を殺した経歴を持つ好漢はゴロゴロしていますから。
しかし今、改めて考えてみると、どうも引っかかるんですね。
『百八星のプロフィール』にあるとおり、杜興は温和で慎重で義理堅い人間。『水滸伝』を最後まで読んだ身としては、彼がつまらぬことで人を殺すというのは、ちょっと考えにくいわけです。
業務上過失致死的なアレ(うっかり人を機械で挟んでしまったとか)ならまだわかりますが、楊雄は
「薊州に商売をしに来たとき、かっとなって仲間の商人を殴り殺した」
とはっきり言っているので、その線も消えます。
ふむ、「腹立ちのあまり、人ひとりを素手で死ぬまで痛めつけた」と。
魯達のような真似を、杜興が。
……うーむ。
杜興はきっと、被害者の商人から、想像を絶するハラスメントを受けていたのでしょう。
昔のことですから移動も徒歩が中心で、十何日も一緒に旅をしてきたと思われます。経費節減のために宿屋でも相部屋を余儀なくされていたとすれば、毎日ほぼ24時間、ゴロツキ根性の不良商人にいじめられ通し。
十何日も我慢に我慢を重ねた結果、堤防が決壊するかのように犯行に至ったのだと考えれば、
…まあ何とか、納得が行く気がしないでもありませんね。
杜興すらも魯達の如き修羅に変貌させてしまう行商人の世界……。
何とも、闇が深いですね。