「水滸好きさんに質問」第11回への回答
さて。
行ってみたい場所として「梁山とその周辺」「開封」「景陽岡」を挙げたところですが、自分がそれらの場所を訪問できる日は、いつになるやらわかりません。
と言うのも、私事なのですが、環境に対する強いアレルギーがあって、以前大陸中国に2泊3日で滞在したときに身体をボロボロにしてしまい、完全回復までに2年ほどかかっているんですね。
今度大陸を旅行するとしたら、飲食物は全て日本から持ち込みで、現地の水でシャワーなど浴びない覚悟で臨まなければなりませんが……そんな贅沢旅行、おいそれとできるわけもなく……。
中国にある水滸ファンあこがれの地は、自分にとっては最期まで、脳内にしか存在しえない場所なのかもしれません。
さて、そんなことはともかく、です。
この記事では、日本国内にある、多少なりとも『水滸伝』に関連していると言えそうな場所をご紹介したいと思います。
ここには「片鎌槍」という武器が収蔵され、一般客の観覧に供されています。要するに、「鉤鎌鎗」の現物が拝めると思っていただければ。
突く合間にちょっと引っ掛けてみることもできる鉤鎌鎗は、かなり汎用性が高いツールと言えます。『水滸伝』作中で、「その使い方が伝わるのは徐寧の一族のみ」の伝説の武器となっていたのは、実に勿体ない話なんですよね。
持ち運ぶときにうっかり変なところに引っかからないよう、注意する必要はありますが。
大垣市は生活空間に密接して水が存在する場所で、ちょっと大雨が降るとすぐに氾濫してしまう河川との付き合い方を、何世紀にもわたり模索してきた歴史があります。そんなところも、梁山泊付近の集落、たとえば石碣村なんかとよく似ているでしょう。
城を観終わった後は、北宋当時の梁山泊周辺の暮らしに思いを馳せながら、市内を散策してみるのもいいと思います。
■青森駅周辺(特に7月中下旬〜8月7日。ただし2020年を除く)
要するに、ねぶた祭の準備が佳境に入ってきた頃から祭りの当日までの、青森駅周辺です。
意外に知られていないことですが、ねぶたの題材には、日本の神話や歌舞伎などだけでなく、中国の昔の話もかなり採用されています。
『水滸伝』関連の大型ねぶたが参戦する年も多く、そのなかから大賞が出ることも。
祭の当日である8月2〜7日に行けば、それらの大型ねぶたが電飾を施されて市中を練り歩く様子を見ることができますし、7月中下旬に行くと、青森市在住の皆さんがねぶたを仕上げている様子を見せていただくことができます。
制作中の「水滸伝 洪信、百八の魔王を放つ」(2011年作品)
2011年当時「ねぶたの家 ワ・ラッセ」に保管されていた
「水滸伝 混江竜 李俊」(2010年作品)
また、祭が近くなると、市内を移動する大型ねぶただけではなく、小規模なねぶたが人通りの多い場所に設置されます。商店街や観光センター等を歩いていると、いきなり柳を抜く魯智深や虎と闘う武松さんが現れたりします。そうしたサプライズも、楽しみのひとつです。
アスパム(観光センター的なビル)の中にいた武松さんと虎
(虎出現の時点で行者姿なのは……えーと……多分、フォトジェニックのためです!そういうことにしておきましょう!)
土産として売られていた張順の下絵
ただ、2020年に関しては、ねぶた祭の中止が既に決定されているんですよね。今年の夏には、水滸の好漢たちの姿が青森の街を飾ることがないと思うと、残念です。
水滸ファンとしてだけではなく、青森市民がみんなで創り上げるねぶた祭を応援する一個人としても、来年以降の祭が無事開催されることを、心より願っています。