梁山から来ました

中華圏の小説、ポーランドボール、SCP財団、作曲、描画などが好き。皆様のお役に立てる/楽しんでいただけるコンテンツ作りを目指して、試行錯誤の日々です。

水滸伝関連書籍bot 連想語り 078

 


f:id:aguila_jata:20200228192115j:image


 

今日は、既に空気と化している「記念日リマインダー」が久々に発動しました。少しでも目立つように、先回から画像をつけています。TLから見つけ出してリツイートしてくださった皆様、誠にありがとうございました。

 

孫安は百二十回本にしか出てこない田虎の将ですね。瓊英ちゃんや馬霊、喬道清のように特技があるわけではないので、知名度はあまり高くありませんが、実はかなりの剛の者です。何せ、秦明と五、六十合もわたり合って、勝負がつかないのですから。

秦明とぶつかってしまった敵は、大抵、二十合くらい戦うと、疲れが見えてきます。そこで馬首をめぐらして逃げ出すだけの判断力と余裕があればいいんですが、ふらついたところであの野蛮極まる狼牙棒をアタマから受けてしまうと、上半身が肉塊になりますよね。秦明と戦った武将の末期は、大体グロいです。

その秦明と互角に長時間戦ってみせた孫安の膂力やスタミナが並外れていることは、言うまでもありません。

 

 

後半、「盧俊義の義気に感じて投降し」とあるのは、ちょっとヘンな気がしますよね。宋江晁蓋の義気に感じる、ならば普通の言葉遣いですが、「盧俊義の義気」とは。誤植ではないのか?と。

しかし実際、これで合ってるんですよ。当時梁山泊軍は、宋江軍と盧俊義軍に分かれて行動しており、孫安はそのうちの盧俊義軍と戦った上で、寛大な措置を受けて投降を決めたので、感じ入った対象は「盧俊義の義気」で、何も間違ってません。

 

孫安のような大物をも、味方に引き入れることができた盧俊義。

このシーンは彼の見せ場になりえたはずですが、後世の評論家は誰も、これに言及していません。

まあ、百二十回本にしかないエピソードなんで、「オリジナルじゃない」と言ってしまえばそれまでですが……瓊英ちゃんや喬道清について語っている人ですら、孫安の投降の件は記憶から抹消しているのが、悲しいところ。

盧俊義という人物の人気のなさには、どうやら、相当に根深いものがあるようですね。

 

 

★よろしければフォローお願いします!★
水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) | Twitter