水滸伝関連書籍bot 連想語り 074
たいしたとりえはない。不思議なのは、王慶討伐で二回でてきて二度とも功をたてているところ。ただし敵の畢先を殺したあたりは話が変で、畢先は二度も死んでいる。あるいは、とりえのすくない好青年に手柄をたてさせてやるためのあとからの加筆だろうか。
— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2020年2月14日
【事典 王定六の項】
※シリーズの途中ではありますが、内容とタイトルの乖離が甚だしいため、「ひとこと感想」→「連想語り」にタイトルを改めさせていただきます。あ、バナーも作り変えないといけませんね。ぼちぼちやります。
泣かず飛ばずのさだろくに手柄を立てさせてやった田虎・王慶の作者、GJ!
しかしそのために2回も死ななければならなかった敵将はかわいそうですね。1回死ぬだけでも、本人にとっては大変なことなのに。
さだろくと言えば思い出すのは、初登場時のことです。
宋江が病気で、早いところ名医を連れ帰らなければ梁山泊の危機だというので、読者たる我々の字を追うスピードも、知らず知らず上がってしまう部分ではありますが。
よく見ると、さだろくの場合、とうちゃんが先に出てきてるんですよ。それも梁山に対して非常に好意的なスタンスで。張順が梁山泊の頭領だと知った彼は大喜びで息子を呼んできて引き合わせます。それがさだろくの初登場。
自分は初めて読んだとき、てっきり、さだろくのとうちゃんも百八星の一員なのかと思ってしまいました。
兄弟で頭領になることはよくあるし、なかには叔父甥、従兄弟同士というケースもあるんですが、親子で頭領というのはありませんからね。ちょっと期待してしまいました。
まあ、結果は皆様ご存知のとおり、頭領になったのはさだろくだけだったんですけどね。とうちゃんは飽くまで「さだろくのとうちゃん」という立ち位置で、梁山泊に仲間入りしています。
梁山泊の連中にとっては、戦うことこそが本分。職人や飲み屋のオヤジであっても、槍棒をひととおり使えることは、頭領となるための暗黙の条件の一つなのでしょう。
さだろくのとうちゃんは、描写を見る限り、どうも六十がらみのようですからね。さすがに戦場での斬ったはったは、期待できなかったのだろうと思います。
『水滸伝』本伝中で、「親子で頭領」というキャラが現れなかったのは、やはり年齢的な制約によると思われます。頭領の年齢はだいたいが二十代から四十代で、なかには子持ちの頭領もいるけれども、戦場に出せるまでには育ちきっていなかった、ということでしょう。花栄の息子しかり、徐寧の息子しかり。
『水滸後伝』においては、呼延灼の息子が頭領と言っていい立場にまで育っているため、「親子で頭領」という夢の(?)シチュエーションが実現しています。
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