水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 059
彼は仲間たちにも良民として生きてほしいと願ったわ。きれいごとばっかり言う偽善者みたいに見えるけど、たぶん宋江って素でこういう人なのよ。何もかも心の底から良かれと思ってやってるのよね。きっと、この底なしの善意が好漢たちの荒んだ心を虜(とりこ)にしたんだわ。
— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2019年12月19日
【女子 宋江の項】
宋江の人格については、おそらく読者の数だけ意見があるのだろうと思います。日本国内で出版されている書籍だけでも、著者の先生方の考え方は十人十色、見ていて全く飽きが来ません。
自分はと言えば、上記の『女子読み水滸伝』の著者様の考え方に概ね同意しています。
宋江は登場人物の誰よりも「物語上の必要性」に翻弄される立場にあり、そのため人格が分裂しているように見えることもしばしばですが、そのなかで敢えて彼を「一貫した性格を持った一人のキャラクター」と捉えるならば、
「心の底から兄弟たちの幸せを願い、彼なりに懸命に行動した結果がこれだよ!」
……と考えるのが、一番矛盾がない気がします。
昔聞いた話なんですが、
悪いことをする人のなかで、「自分のやってることは悪いことなんだ」と自覚している手合いは、むしろ少数派なんだそうです。
人間は「悪いこと」のために身体の底から強大なエネルギーを絞り出すことは、そう簡単にはできないんですね。
ではそうでない人たちは、何を思って「悪いこと」を仕出かすのかと言えば、
「自分は正しい側の人間で、世の中の間違っていることを正常に戻すために行動しているんだ。そのためには多少の犠牲を覚悟しなければならないが、それも大いなる正義を実現するための、必要不可欠な要素なんだ」
と。ざっとこのようなことです。
そして、そういう「善意の人」が、信念に基づいてする行動こそが、最もタチの悪い結果を生み出したりするわけで……。
どうでしょう。
我らが水寨の総大将も、そんな「善意の人」だったと仮定すれば、
色んなことに説明がつきそうな気がしてきませんか。
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