『水滸後伝』第31回あらすじ
話はしばらく前に遡る。
暹羅国王馬賽真は、家族や婿の花逢春を連れて祖宗の墓参りをする。堂に参って幣帛(ぬさ)を燃やしたところ、火のかたまりが国王の竜袍に落ちて、焼け穴を残してしまう。
その後、丹霞山に遊んだ国王は、古洞のほとりで一人の道士に出会う。道士は国王が大難に遭うことを予言し、「これを避けたければ俗世の富貴から離れて出家することだ」と言うが、国王は聞き入れず、家族もまた「道士の言うことなどあてにならない」と言って、国王を慰める。
さて、宰相の共濤は、密かに王位の簒奪を企てていた。
ある日、彼のもとに西から薩頭陀という妖僧がやってくる。薩頭陀がもたらした回春の薬や鬼神を駆使する術の効果が覿面であったことから、共濤はすっかり信頼し、王位簒奪の野望を打ち明ける。
薩頭陀は共濤の野望を叶えるため、邪魔者である馬賽真、花逢春、李俊の三人をいのり殺そうと提案する。この術を行うには対象者の生年が必要だが、三人のうち李俊の生年だけはわからない。