梁山から来ました

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水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 056


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この引用箇所にはツッコミどころが2つありまして、

一つは張順が人を殺した際に、ふと武松の武勇伝を思い出した、というところ。

百二十回本を確認しましたところ、原作にはそういう記述はありませんでした。でも、壁に血で字を書くにあたって、張順のアタマの中でそういう連想が起こっていたとしても、何の不思議もありませんよね。

個人的にはこういう、同じ寨にいるだけで特段親しいわけでもないはずの頭領同士の間に、うっすらとした繋がりが垣間見える局面に、何かこう…グッとくるものがあります。

後伝を愛するのもやはり、蔡慶が樊瑞と行動したり、楽和が花栄の妻子を救ったり、燕青が楊林を連れ歩いたりする場面か好きだから、だったりします。

 

2つ目のポイントは安道全の「ひどいことをなすったねえ」です。

百二十回本での翻訳は「ひどいことをしたな!」で、かなり語気がキツめに見えるんですが、その後張順に立ち向かっていったり、「こんな奴らに捕まるくらいなら死を選ぶ!」みたいに騒いだりすることもなく、おとなしく梁山泊に向かうので、まあ大した違いはないのかもしれません。

安先生は、どこかおっとりして危機意識に欠けるところがありますよね。そんなだから悪い男がバックにいる悪い女に騙されるし、張順には罪をなすりつけられるし、後伝では腹黒い同僚に……おっと、これは一括りには語れないかw

ただ、医者としては、極端なビビリとか、感情のブレが激しい人よりは、このくらい鷹揚に構えている人の方が、有能そうに見えますね。

安先生が名医と言われるのは、まずその確かな手腕によってですが、纏っている雰囲気による部分も、5%くらいはあるのかもしれません。

 

 

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