梁山から来ました

中華圏の小説、ポーランドボール、SCP財団、作曲、描画などが好き。皆様のお役に立てる/楽しんでいただけるコンテンツ作りを目指して、試行錯誤の日々です。

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 028




李俊って地頭がよかったんだろうなーと思うのが、宋江たちとの鮮やかな別れ方です。
公孫一清などよりもずっと軋轢の少ないやり方で、というのは、高島俊男先生も指摘されていたところ。

まずは方臘戦に最後まで参加することで、梁山泊への義理を果たし、
その後、都へ帰る途中で病気になったふりをし、
「自分のために足止めさせてしまうのは忍びない。童威と童猛だけを看病のためにのこして、先に行っていてください。後から追いつきますから」
と言って一行を出発させ、
……その後、彼らを見たものはなかった……。


ちゃんと事情を話したら、宋江など絶対に放してくれず、しまいには泣き出して、生き残った兄弟たちが
「何お前公明兄貴泣かしてんの?バカなの?」
という雰囲気になって、まず脱退できなかったでしょうからね。
その辺を考慮に入れた上での策略でしょう。


でも、欲を言えば、抜けるときについでに穆春も連れてってやってほしかったんですよ。
「江州勢の生き残りで唯一置いてかれた」と考えると、若干かわいそうじゃないですか?
後伝では地元に帰ってから蔣敬に会うまで、入れ知恵してくれる仲間もなく、みじめな生活を送っていたようですし……。

暹羅国に行って再会したとき、お互い、ちょっと気まずかったんじゃないかと、勝手に想像しています。


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