水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 021
思うに「黒旋風」とは、両手に持った二つの斧を車輪のごとくふりまわして人が大勢いるほうへと突進し、悪吏も良民もいっさいおかまいなしに、ただむやみやたらに人を殺して快とする黒いあばれ者李逵を「黒いつむじ風」と呼んだものであろう。
— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2019年8月20日
【世界】
「水滸伝のアニメ」なるものが、日本で作成され地上波でオンエアされたことは多分ないはずなんですが、
というものがありまして、これは「水滸伝のアニメ」と無理やり言えないこともないのかもしれない。
(どっちにしろ地上波で放映はされてないと思いますが…)
このアニメには、横山光輝先生の漫画版『水滸伝』のキャラが多数登場していて、まあ勿論アニメですから、ヌルヌル動くのです。
李鉄牛の二丁斧のシーンは感動しました。
斧には仕掛けがあり、振り回すアクションは圧巻の一言です。まさにパワー系の黒いつむじ風、梁山泊のヤベー奴。
横光版の李逵には、原作のサイコパス感はあまりなく、「口より先に手が出る暴れ者」という部分は踏襲しながらも、心の奥底に強い正義感を持ったキャラへと、うまいこと改変されていたと思います。
「原作の李逵は苦手だけど横光版の鉄牛は好き」という方は、結構多いのではないでしょうか。
GロボOVAも、横光先生の路線を正しく踏襲し「粗暴だけど本当は心優しい好青年」として、李逵を描いていました。ヒロインにアプローチするのは、ちょっとやりすぎな気もしましたが…。
あと、李逵の改変で印象的なのは
『まんがで読破 水滸伝』
です。
巨体で頭が弱く、原始人喋りで、どこか物悲しさを感じさせるキャラに仕上がっていました。
(手塚先生の『ブッダ』にこういうキャラがいましたね。名前忘れたけど)
漫読は結末はアレですが、評価できる点もたくさんあって、李逵のキャラ改変もその一つだと、個人的には思っています。
先人たちは、李逵を日本人読者にも愛されるキャラとすべく、様々な工夫を凝らしてきたんですね。
個人的な好みで言えば、自分は横光版の李逵が一番好きですかね。僅差で漫読の李逵。
原作の李逵からは(第120回の最後のセリフを除いては)あまり人間らしい印象を受けないので、「鬼神」または「物語上必要な装置」と見做していることが多い気がします。