梁山から来ました

中華圏の小説、ポーランドボール、SCP財団、作曲、描画などが好き。皆様のお役に立てる/楽しんでいただけるコンテンツ作りを目指して、試行錯誤の日々です。

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 012


この征遼時の白勝の活躍というのは、
「山の上からコロコロ転がってきた大きな包みを開けてみたら白勝が入っていて、盧俊義たちが山の中で迷子になってることを知らせたため、捜索隊を出して無事合流することができた」
というエピソードのことですね。

包みから出てくる白勝の姿を思い描くと、何ともマヌケで笑えますが、多大な貢献には違いありません。


征遼と方臘の段は、108星の勢揃い前に比べるとあまり面白くないんですが、たまにこうして下位の好漢たちに、その人物ならではの活躍シーンを与えてくれるので、侮れないものがあります。


自分が好きなのは、方臘戦もかなり終盤まで生き残っていた湯隆が、鈎鎌鎗を使って敵を生け捕ったくだりです。
ごくあっさりとしか書いてないんで、うっかり見落としてしまいそうなんですが……

この時点で、徐寧は死んでるんですよね。
湯隆は、表哥(いとこ)の形見の武器を使って、最後の活躍をしたわけです。
というのは、湯隆もまた、その活躍からいくらも経たないうちに死んでしまうので…。


征遼・方臘は集団戦なので、面白く書くのは至難の業…とは言え、こういうエピソードをもっとたくさん盛り込めれば、きっと「最後まできっちり面白い!」という評価になったと思うんですよ。実に勿体ない話です。


…まあこれも、物語をつくる上で「キャラを立てる」「各キャラの特徴を生かす」ということが当たり前に行われるようになった21世紀だからこそ、言えることなのかもしれませんが。