金庸bot ひとこと感想 002
無根「洪教主はわれらと苦労を共にしてきた兄弟、その文才武芸はいずれもほかの者より十倍は優れておった。だからこそ、われらは教主にいただき、もとより二心などなかった。ただ、その夫人を娶ってからは性格が一変し、年少者ばかりを取り立て、われら古い兄弟を切り捨てるようになった」
— 金庸セリフ&会話bot (@jinyong_riyu) 2019年7月10日
【鹿鼎記】
この「年少者ばかりを取り立て…」というくだりから、金庸先生は洪教主を描くにあたり、実在の政治家をモチーフにしていたのではないかと思えますね。
『鹿鼎記』が描かれたのとそう変わらない時期に、大陸で若者の支持を基盤に、圧倒的な権力を手にしたあの人物です。
かの人物の場合、若者たちを重用した理由は、彼らに何らかの能力を見出していたからというよりは、その「数」と「勢い」と「染まりやすさ」を自らの権勢を高めるのに利用した、と考えた方がが正しいと思います。
洪教主もきっとそうだったのでしょう。
現に、その後教団内で目覚ましい活躍をする若者というのは韋小宝ひとりで、あとは烏合の衆だったわけですし。