『水滸後伝』第1回あらすじ
四月のある日、阮小七は石碣村で酒を飲んでいるうちに、ふと「梁山泊に行って故人を祀ろう」と思い立つ。次の日、早速下男たちを連れて山へ登り、忠義堂跡で酒盛りをしていると、かつて梁山泊に帰順を勧めた陳宗善の付き人・張幹辨(やっこ)がやってくる。張はおべっかを使って済州府通判にまで出世し、宝を探して梁山泊跡へやってきたのだ。彼は小七を見つけるなり叱りつけるが、小七が暴れだすと逃げてしまう。
小七は逃げ遅れた従者から張の素性を聞き出した後、家に帰り、しばらくは何事もなく過ごしていた。しかし三日目の夜、張幹辨が土民兵を連れて彼の家に押しかけてくる。自分を捕らえにやって来たのだと知るや、小七は張を刺し殺し、老母を連れて村を出る。
十日あまり、行き当たりばったりに旅を続けた小七だったが、母が腹痛を訴えたので、土地廟を見つけて寝かしつける。湯をわかすための火種をもらって戻ってみると、母がいなくなっている。廟の中で途方に暮れていると、一人の男が入ってきた。小七はその男が母を攫ったのだと思い込んで突っかかる。