梁山から来ました

中華圏の小説、ポーランドボール、SCP財団、作曲、描画などが好き。皆様のお役に立てる/楽しんでいただけるコンテンツ作りを目指して、試行錯誤の日々です。

水滸伝関連書籍bot 連想語り 079

人の身分や職業の上に「花」がつけば、「それとしての分際からはみ出した」「できそこない」の意である。「花公子(ホアコンツ)」は不良息子であり、「花姑娘(ホアクーニャン)」はあばずれである。したがって「花和尚」は「ならずもの坊主」でもある。【…

「水滸好きさんに質問」第1回への回答

マトモに列挙しだすと72人とかは簡単に越えてしまうので、今の気分で一人だけピックアップします。 蕭譲です。 むかし一回流し読みした程度で、あまり馴染みのなかった王慶の段。今年の初めに思い立って、よくよく読んでみますと、そこにはまぶしくて直視で…

水滸伝関連書籍bot 連想語り 078

今日は旧暦2月6日。百二十回本で、盧俊義軍が田虎の将・孫安と初めて会戦した日にあたります[-(97)]。孫安はこの日、秦明と五六十合あまりもわたりあい、勇猛ぶりを存分に発揮しました。孫安はこの後、盧俊義の義気に感じて投降し、喬道清を説得し投降させた…

水滸伝関連書籍bot 連想語り 077

宋清は宋江の弟だから頭領になっているだけで、なんのとりえもない平和な人である。梁山泊にまぎれこんだ凡人だ。それでも頭領である以上、なにか役についていないとぐあい悪いので、宴席がかりにしてある。【事典 宋清の項】— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_r…

水滸伝関連書籍bot 連想語り 076

索超は気がみじかい気がみじかいというが、たたかいのときには秦明のほうがよくとびだすので、梁山泊ではなんとなくカゲがうすい。ほかにも林冲やら徐寧やら気のみじかいのがでてくるので、よけいにうすくなる。【事典 索超の項】— 水滸伝関連書籍bot (@shui…

水滸伝関連書籍bot 連想語り 075

孫立「東京へ行くんなら、持って行ってもらいたい手紙があるんだが、そっちの、つごうはどうだろう」杜興「どうせついでだ。誰に届けるのかね」孫立「わしの女房の弟楽和なんだ。女房が長いこと会わんもんで心配している。わしも、ちと相談したい大事なこと…

水滸伝関連書籍bot 連想語り 074

たいしたとりえはない。不思議なのは、王慶討伐で二回でてきて二度とも功をたてているところ。ただし敵の畢先を殺したあたりは話が変で、畢先は二度も死んでいる。あるいは、とりえのすくない好青年に手柄をたてさせてやるためのあとからの加筆だろうか。【…

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 073

「摩雲金翅」欧鵬――これは想像上の動物である。「摩雲」は雲に触れる、つまり空高く飛ぶ、の意、「金翅」は仏説で龍を食う怪鳥である。「井木犴」郝思文――星宿の名である。母がこの星を夢みてみごもったという。【世界】— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_relate…

洛天依ちゃんに歌ってもらった「好漢歌」のこと

【中国語ボカロ】好漢歌を歌ってもらった【洛天依】動画→ https://t.co/0MpJAGPUju @Youtube歌ってもらいました pic.twitter.com/7zSHcdjGX5— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2020年2月12日 さて。 この動画をつくろうと思い立ってから、苦節……3か月…

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 072

今日は旧暦1月15日、元宵節。水滸伝の作中では、灯籠祭りの喧噪に乗じ、よく事件が起こる日です。宋江が清風寨で劉高に捕まる[33]、梁山泊軍が盧俊義を救出する[66]、宋江・燕青らが李師師に会う[72]、燕青と李逵が方臘鎮圧の挙兵が行われることを知る[90(11…

【お知らせ】記念日リマインダー機能、実装!!

水滸伝関連書籍botをご利用の皆様、いつもありがとうございます。 そして、大変お待たせいたしました。 旧暦の1月15日、元宵節にあたる本日、以前から告知していた「記念日リマインダー機能」を、ようやくbotに実装することができました。 記念すべき(?)最初…

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 071

田虎・王慶は、梁山泊軍と強力な盗賊軍との戦争の話であって〈中略〉敵の有力な大将がたくさん討死するのに、味方が一人も死なないというのもおかしい。そこで、田虎討伐の際に敵の豪傑がぞくぞくと降参して味方に加わり、その連中がつぎの王慶討伐の際にあ…

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 070

総大将なのだから、どんなに強いやつかと思うと、これがちっとも強くない。たぶん百八人のなかで一番弱いのではないか。いやもっとも、百八人のなかには、医者だとか習字の先生だとかの専門技術者もいるから、まさかビリということはないだろうが、うんと弱…

【朗報?】『射鵰英雄伝』、botに復活!!

「金庸 セリフ&会話bot」をご利用の皆様、いつもありがとうございます。 そして、大変お待たせしました。 『射鵰英雄伝』から引用したセリフや会話が、今日から徐々に、botに復活してまいります。 以前の記事で、 「天→射→神→倚→連→笑→俠→白→碧→鹿→鴛→書→飛→…

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 069

たしか中学にはいったばかりのころ、吉川英治の『三国志』を愛読し、関羽や張飛の活躍に胸おどらせた。関羽が死んだ時には、目の前がモウロウとして腰が抜けたようになり、翌日学校へ行って一番仲のよかった友だちに、「関羽が死んだ……」と言ったのをおぼえ…

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 068

顧大嫂「かやつを、そのままにしておいたら、あたしたちに仇をするのがおち。草を刈るなら根まで抜けって言います。まず、あいつをやっつけて、その荷物を扈さんの手へもどしてあげなくちゃ。そしたら、なくなられた扈三娘への義理もたとうというものですよ…

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 067

わが国でかたきうちといえば忠臣蔵だが、四十七士が吉良上野を討ちはたして、車座になってこれを食ったりしては、到底人に受け入れられるはずがないし、だいいちそんな話にすることを思いつく人もいないだろう。つまりわが国ではそれは「オハナシにならぬ」…

「武俠好きさんに質問」第17回への回答

世間の評価とは全く関係なく、「個人的に好き」な終わり方の作品はと言いますと、『雪山飛狐』『俠客行』『笑傲江湖』『鴛鴦刀』(全て原作小説)です。 では、一つひとつ見ていきましょう。 …の前に、話題の特性上、ここからはネタバレ全開フルスロットルで…

十数回目の『水滸伝』通し読み記録 011

以前、「ひとこと感想」のコーナーで、張横の渾名「船火児」に対する高島俊男先生の「船に火をつけるわけではない」というツッコミにかこつけて、 「朝廷と戦ってるときに船を火攻めすればよかったのに」 という話をしたことがあります。 今回、通し読みして…

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 066

楊志は、水滸伝のなかで「洒家(サーチャ)」という一人称を用いる数すくない人物の一人である。「洒家」とは陝西方言の「おれ」である。つまり楊志という男はどこから眺めても東方の梁山泊とは縁のうすい人物で、どうしても、河北、山西、陝西あたりを活躍…

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 065

およそ人のなす行為のなかで、最も重大なものは、人を殺す、という行為であろう。あらゆる動物のうちで、同じ種類に属するものを殺害するのは人間のみである、ということを聞いたことがある。人が人に殺され得る、ということは、人間が神から受けた最大の呪…

十数回目の『水滸伝』通し読み記録 010

さて、今回は、前回の「詩と美文不要論」の続きとなります。 前回の記事を未読の方、よろしければ下記リンク先も読んでみてくださいね!! 十数回目の『水滸伝』通し読み記録 009 - 梁山から来ました さて、前回は、百回本と百二十回本の随所に散りばめられ…

十数回目の『水滸伝』通し読み記録 009

金聖嘆が編纂した「七十回本」には、いくつか大きな特徴があります。 最大の特徴は、言わずもがな「百八星勢揃い以降の物語をなかったことにしたこと」。高島俊男先生が「腰折」と評するほどの思い切った改変で、今日でも賛否両論があり、議論はそう簡単には…

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 064

晁蓋は、水滸伝のなかでやや特殊な位置を占める男で、〈中略〉勢ぞろいのすこし前に戦死してしまった。で、勢ぞろいの際には、第一位の宋江よりもう一つ上の神様として祭られることになる。梁山泊の主要メンバーであって百八人以外というのはこの晁蓋一人だ…

十数回目の『水滸伝』通し読み記録 008

さて。 何年かぶりに(まっさら、とは言えませんが、まあそれなりに)新しい気持ちで原作をひもといてみますと、時折、「あれ?こんな展開だっけ?思ってたんと違う……」という気持ちになることがあります。 無意識のうちに、記憶を都合のよいように捻じ曲げ…

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 063

梁山泊の総大将、〈中略〉二つのアダ名を持つ宋江が登場した。水滸伝第十八回である。もっとも実際に総大将になるまでにはまだまだ紆余曲折があるので、宋江が梁山泊入りするのは第四十一回、この時はまだ晁蓋が健在だから第二位、正式に総大将の地位がかた…

十数回目の『水滸伝』通し読み記録 007

さて。 1度目、2度目の通し読みのときは、目まぐるしく変わる戦局、雪崩を打って入山してくる仲間たちに翻弄されて、細部があまり気にならなかった(…と思う…なにぶん、15年以上前のことなので)わけですが、十数回目ともなれば、一つ一つの表現にツッコミを…

【お知らせ】今後のbotの運用について

「金庸セリフ&会話bot」と「水滸伝関連書籍bot」をフォローいただいている皆様、いつもお世話になっております。 このたびは、中の人のPC故障という事態により通常のbot運用ができなくなり、大変ご迷惑をおかけしております。 さて、botの編集環境の方は、…

水滸伝関連書籍bot ひとこと感想 062

#敵だったけど味方になる系で好きなキャラあっ…それ訊いちゃう?話し出すと長くなるんだけどね(ドヤ顔— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2020年1月7日 最近、twitterの検索画面に出てくる人気のタグで、『水滸伝』関係に使えそうなものがあれば、積極…

十数回目の『水滸伝』通し読み記録 006

祝家荘戦が終わり、頭領たちが多数の新しい仲間たちを引き連れて、意気揚々と梁山泊に戻ってくる頃になると、十数回目の読者としては、ちょっと憂鬱な気分になります。そう、『水滸伝』史上最悪のエピソード、「朱仝の仲間入り」が近づいていることがわかっ…